tanuki- 2023-10-22 nnue-pytorch halfkp_1024x2-8-32 学習データ比較
実験内容
- nnue-pytorch を用い、 halfkp_1024x2-8-32 ネットワークを学習させる。
- 棋譜の生成条件を変えた 2 つのネットワークを作成し、レーティングを比較する。
棋譜生成
生成ルーチン | tanuki-棋譜生成ルーチン |
評価関数 | 水匠5 Háo |
1手あたりの思考 | 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード |
開始局面 | foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜を使用した。レーティング 3900 以上同士の対局のみ使用した。 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした。ランダムムーブはしなかった。 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜を使用した。レーティング 3900 以上同士の対局のみ使用した。戦型が角換わりの対局が 10% になるよう調整した。 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした。ランダムムーブはしなかった。 |
生成局面数 | 10 億局面 × 8 セット |
生成条件 | 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した |
シャッフル条件
生成ルーチン | tanuki-シャッフルルーチン |
qsearch() | あり |
置換表 | 無効 |
機械学習
機械学習ルーチン | nnue-pytorch + やねうら王 https://github.com/nodchip/nnue-pytorch/tree/shogi.2022-10-31.halfkp_1024x2-8-32 |
学習モデル | halfkp_1024x2-8-32 |
学習手法 | SGD ミニバッチ法 |
初期学習率 (lr) | 1.0 |
最適化手法 | なし |
学習率調整手法 | newbob 風学習率スケジューラー 学習ロスに改善が見られなくなったら、学習率を下げる |
batch-size | 16384 |
threads | 1 |
num-workers | 8 |
gpus | 1 |
features | HalfKP |
max_epoch | 5000 |
scaling (kPonanzaConstant) | 361 |
lambda | 0.5 |
勝敗項の教師信号 | 0.999 |
num_batches_warmup | 10000 |
newbob_decay | 0.50 |
epoch_size | 10000000 |
num_epochs_to_adjust_lr | 50 |
レーティング測定
対局相手 | 棋譜生成の 1. と 2. |
思考時間 | 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算 |
対局数 | 5000 |
同時対局数 | 64 |
ハッシュサイズ | 384 |
開始局面 | dlshogi 互角局面集の角換わりの割合が 10% になるよう間引いたもの |
実験結果
機械学習
レーティング測定
対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=384 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2023-04-16\TanukiColiseum\floodgate32-80.adjust_bishop_exchange.sfen NUMAノード数=1 表示更新間隔(ms)=3600000
思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.63 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2023-04-16\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\tanuki-.nnue-pytorch-2023-10-21 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=true 定跡の手数を無視する=true SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale1=16 Depth1=0
思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.63 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2023-04-16\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\tanuki-.nnue-pytorch-2023-10-19 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=true 定跡の手数を無視する=true SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale2=16 Depth2=0
対局数5000 先手勝ち2525(53.6%) 後手勝ち2186(46.4%) 引き分け289
engine1
勝ち2362(50.1% R0.9 +-9.6) 先手勝ち1267(26.9%) 後手勝ち1095(23.2%)
宣言勝ち27 先手宣言勝ち14 後手宣言勝ち13 先手引き分け139 後手引き分け150
engine2
勝ち2349(49.9%) 先手勝ち1258(26.7%) 後手勝ち1091(23.2%)
宣言勝ち58 先手宣言勝ち25 後手宣言勝ち33 先手引き分け150 後手引き分け139
2362,289,2349
Háo で生成した学習データで学習させたときのほうが、水匠 5 で生成した学習データで学習させたときより、学習ロスと検証ロスが高かった。
Háo で生成した学習データで学習させたときと、水匠 5 生成した学習データで学習させたときとで、それぞれ学習ロスと検証ロスの乖離は小さかった。
Háoで生成した学習データで学習させたネットワークは、水匠 5 で生成した学習データで学習させたネットワークに対し、 R0.9 レーティングが高かったが、有意な差はなかった。
考察
Háo で生成した学習データで学習させたときのほうが学習ロスと検証ロスが高いのは、 Háo のほうが評価値の絶対値が大きいためという可能性がある。評価値の絶対値が大きいと、エントロピーが大きくなり、学習ロスと検証ロスが大きくなるのだと思う。
Háoで生成した学習データで学習させたネットワークと、水匠 5 で生成した学習データで学習させたネットワークで、レーティングに有意な差がなかった理由は分からなかった。 仮に、どちらのネットワークも halfkp_1024x2-8-32 の表現能力の限界に達していたからだとすると、 WCSC33 で Lí が、思考ノード数の大きい学習データで追加学習をしてレーティングを伸ばしたことと矛盾する。また、仮に、学習データの違いにより、得意な局面と不得意な局面があり、得意な局面でそれぞれ勝ちを稼いだためだと仮定すると、過去の実験において、開始局面の角換わりの局面の割合を調整しても差が出なかったことと矛盾する。
まとめ
nnue-pytorch を用い、 halfkp_1024x2-8-32 ネットワークを学習させた。その際、棋譜の生成条件を変えた 2 つのネットワークを作成し、レーティングを比較した。
結果、 Háo で生成した学習データで学習させたネットワークと、水匠 5 で生成した学習データで学習させたネットワークとで、レーティングに有意な差はなかった。
次回は、 halfkp_1024x2-8-32 の入力特徴量を HalfKP から HalfKP^ に変更し、ネットワークを学習し、レーティングを比較したい。