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コンピューター将棋ソフト「tanuki-」シリーズの実験結果を掲載しています。

tanuki- 2023-03-05 MCTS ベースの定跡データベース生成手法 (2)

tanuki- 2023-03-05 MCTS ベースの定跡データベース生成手法 (2)

実験内容

  • たややん式定跡生成手法 2020 改良の一つとして、定跡データベース内で MCTS べースで定跡の延長を行った。
    • floodgate の棋譜のうち、レーティング 3800 以上のソフト同士の対局の棋譜を使う。
    • ある指し手を指したときの勝率が 33% 以上の指し手のみ使う。
    • floodate での出現回数が 2 回以上、またはプレイアウトした回数が 1 回以上の指し手を使う。
    • プレイアウト回数が 5 回未満のノードについて、プレイアウトを行う。
    • プレイアウトには、長時間の思考での対局を行う。
    • プレイアウトの棋譜は定跡データベースに追加していく。

    定跡生成

    生成ルーチン たややん式定跡生成手法 2020 + MCTS
    棋譜 floodgate の 2020~2023 年の棋譜
    レーティング下限 3800
    レーティング表 2022-04-29 閲覧および 2022-11-28 閲覧
    勝率下限 33%
    出現頻度下限 2 回以上

    レーティング測定

    対局相手 wcsc32 マメット・ブンブク定跡
    思考時間 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算
    対局数 5000
    同時対局数 64
    ハッシュサイズ 384
    開始局面 平手

    実験結果

    レーティング測定

    対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=384 開始手数=0 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=1 表示更新間隔(ms)=3600000

    思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\halfkp_1024x2-8-32.add.Suishopsv-150m.eta2=0.001.min_progress=0.1\20 定跡手数=256 定跡ファイル名=create_utc_book.2023-01-26.num_values.db 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=true 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale1=16

    思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\halfkp_1024x2-8-32.add.Suishopsv-150m.eta2=0.001.min_progress=0.1\20 定跡手数=256 定跡ファイル名=tanuki-wcsc32.2022-05-01.db 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=true 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale2=16

    対局数5000 先手勝ち2493(54.7%) 後手勝ち2066(45.3%) 引き分け441

    engine1

    勝ち2281(50.0% R0.2 +-9.6) 先手勝ち1266(27.8%) 後手勝ち1015(22.3%)

    宣言勝ち65 先手宣言勝ち38 後手宣言勝ち27 先手引き分け183 後手引き分け258

    engine2

    勝ち2278(50.0%) 先手勝ち1227(26.9%) 後手勝ち1051(23.1%)

    宣言勝ち65 先手宣言勝ち36 後手宣言勝ち29 先手引き分け258 後手引き分け183

    2281,441,2278

    今回作成した定跡は、マメット・ブンブク定跡と比べ、 R0.2 レーティングが低かったが、有意差はなかった。

    考察

    レーティング

    プレイアウトの際の指し手が、あまりヒットしなかったのだろうと思われる。

    まとめ

    たややん式定跡生成手法 2020 改良の一つとして、定跡データベース内で MCTS べースで定跡の延長を行った。その際、プレイアウト時の指し手も定跡データベースに加えた。結果、マメット・ブンブク定跡とくらべて、有意差はなかった。

    次回は、もっとも探索回数が多い指し手のみ指させて、レーティングを測定してみたい。