tanuki- 2022-03-25 強い将棋ソフトの創りかた 学習データ配合
実験内容
- 既存の学習データに「強い将棋ソフトの創りかた」に付属の学習データを配合し、レーティングに変化があるか調べる。
棋譜生成
生成ルーチン | tanuki-棋譜生成ルーチン |
評価関数 | 水匠5 FV_SCALE=16 |
1手あたりの思考 | 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード |
開始局面 | foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし |
生成局面数 | 10 億局面 × 2 セット |
生成条件 | 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した |
機械学習
機械学習ルーチン | やねうら王機械学習ルーチン |
学習モデル | halfkp_vm_256x2-32-32 |
学習手法 | SGD ミニバッチ法 |
USI_Hash | 1024 |
Threads | 16 |
loop | 100 |
batchsize | 1000000 |
lambda | 0.5 |
eta | eta1=1e-8 eta2=1.0 eta1_epoch=100M |
newbob_decay | 0.5 |
nn_batch_size | 1000 |
eval_save_interval | 100000000 |
loss_output_interval | 1000000 |
mirror_percentage | 50 |
eval_limit | 32000 |
weight_by_progress | 無効 |
次元下げ | なし |
学習データ内で重複した局面の除外 | しない |
初期ネットワークパラメーター | tanuki-wcsc29 |
勝敗項の教師信号 | 0.80 |
レーティング測定
対局相手 | tanuki-wcsc29.halfkp_vm_256x2-32-32 に水匠 5 で生成した学習データを学習させたもの |
思考時間 | 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算 |
対局数 | 5000 |
同時対局数 | 64 |
ハッシュサイズ | 768 |
開始局面 | たややん互換局面集 |
実験結果
機械学習
レーティング測定
対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=768 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=2 表示更新間隔(ms)=3600000
思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.00 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5.dlshogi_with_gct\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140
思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.00 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140
対局数5000 先手勝ち2158(54.0%) 後手勝ち1839(46.0%) 引き分け1003
engine1
勝ち1923(48.1% R-10.5 +-9.6) 先手勝ち1064(26.6%) 後手勝ち859(21.5%)
宣言勝ち146 先手宣言勝ち85 後手宣言勝ち61 先手引き分け455 後手引き分け548
engine2
勝ち2074(51.9%) 先手勝ち1094(27.4%) 後手勝ち980(24.5%)
宣言勝ち87 先手宣言勝ち40 後手宣言勝ち47 先手引き分け548 後手引き分け455
1923,1003,2074
まとめ
既存の学習データに「強い将棋ソフトの創りかた」に付属の学習データを配合し、レーティングに変化があるか調べた。
学習ロスと検証ロスは、 学習データを配合したほうが高くなった。
平手局面の評価値は、 大きな差はなかった。
評価値の絶対値は、 学習データを配合したほうが低くなった。
レーティングは、有意に低くなった。
学習ロスと検証ロスについては、学習データを配合したほうが、平均して学習データの教師信号の絶対値が低くなるという事を表しているのだと思われる。これは、「強い将棋ソフトの創りかた」に付属の学習データの教師信号のほうが、水匠 5 を用いて生成した学習データの教師信号より小さいためだと思われる。これを確かめるためには、実際に教師信号の値の統計を出せばよい。
平手局面の評価値については、学習に大きな問題が起きていない事を表している。
評価値の絶対値については、学習ロスと検証ロスと同様、「強い将棋ソフトの創りかた」に付属の学習データの教師信号のほうが、水匠 5 を用いて生成した学習データの教師信号より小さいという事を表しているのだと思われる。
レーティングについては、「強い将棋ソフトの創りかた」に付属の学習データと水匠 5 の教師データを配合するのは悪手だという事を表している。
今後は水匠 5 で生成した学習データのみで学習を行いたい。