nodchipのコンピューター将棋ブログ

コンピューター将棋ソフト「tanuki-」シリーズの実験結果を掲載しています。

tanuki- 2022-03-30 学習データ量 再実験

tanuki- 2022-03-30 学習データ量 再実験

実験内容

  • 学習データ量を増やした場合に、レーティングに変化があるかどうか調べた。

棋譜生成

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠5 FV_SCALE=16
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし
生成局面数 10 億局面 × 2・4 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

機械学習

機械学習ルーチン やねうら王機械学習ルーチン
学習モデル halfkp_vm_256x2-32-32
学習手法 SGD ミニバッチ法
USI_Hash 1024
Threads 16
loop 100
batchsize 1000000
lambda 0.5
eta eta1=1e-8 eta2=1.0 eta1_epoch=100M
newbob_decay 0.5
nn_batch_size 1000
eval_save_interval 100000000
loss_output_interval 1000000
mirror_percentage 50
eval_limit 32000
weight_by_progress 無効
次元下げ なし
学習データ内で重複した局面の除外 しない
初期ネットワークパラメーター tanuki-wcsc29
勝敗項の教師信号 0.80

レーティング測定

対局相手 tanuki-wcsc29.halfkp_vm_256x2-32-32 に水匠 5 で生成した学習データを学習させたもの
思考時間 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算
対局数 5000
同時対局数 64
ハッシュサイズ 768
開始局面 たややん互換局面集

実験結果

機械学習

レーティング測定

対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=768 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=2 表示更新間隔(ms)=3600000

思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.00 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5.4G\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140

思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.00 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140

対局数5000 先手勝ち2131(53.8%) 後手勝ち1832(46.2%) 引き分け1037

engine1

勝ち1999(50.4% R2.4 +-9.6) 先手勝ち1081(27.3%) 後手勝ち918(23.2%)

宣言勝ち136 先手宣言勝ち72 後手宣言勝ち64 先手引き分け505 後手引き分け532

engine2

勝ち1964(49.6%) 先手勝ち1050(26.5%) 後手勝ち914(23.1%)

宣言勝ち76 先手宣言勝ち40 後手宣言勝ち36 先手引き分け532 後手引き分け505

1999,1037,1964

まとめ

学習データ量を増やした場合に、レーティングに変化があるかどうか調べた。

学習ロスと検証ロスは、 大きな差はなかった。

学習の収束までのデータ量は、学習データを増やしたほうが多かった。

平手局面の評価値は、 大きな差はなかった。

評価値の絶対値は、 大きな差はなかった。

レーティングは、有意な差はなかった。

学習ロスと検証ロスについては、同じ学習データパラメーターを使用しているため、大きな差がなかったのだと思われる。

学習の収束までのデータ量は、学習データが多くなったことにより、学習データの多様性が上がり、収束が遅くなったためだと思われる。

平手局面の評価値については、学習に大きな問題が起きていない事を表している。

評価値の絶対値については、同じ学習データパラメーターを使用しているため、大きな差がなかったのだと思われる。

念のため、 80 億局面でも学習させてみたい。