tanuki- 2022-08-05 教師局面生成時の開始局面 (s-book_black) (3)
実験内容
- 教師局面の生成時、開始局面として floodgate の棋譜の局面と、 s-book_black に収録されている局面を使用し、学習した評価関数のレーティングを計測する。
棋譜生成
生成ルーチン | tanuki-棋譜生成ルーチン |
評価関数 | 水匠 5 FV_SCALE=16 |
1手あたりの思考 | 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード |
開始局面 | 1. foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の、 32 手目までから、 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした 2. s-book_black |
開始局面後のランダムムーブ | なし |
生成局面数 | 1. 10 億局面 × 4 セット 2. 10 億局面 × 4 セット |
生成条件 | 対局は打ち切らず詰みの局面まで教師局面に出力した |
棋譜シャッフル
シャッフルルーチン | tanuki-棋譜シャッフルルーチン |
qsearch | なし |
機械学習
機械学習ルーチン | やねうら王機械学習ルーチン |
学習モデル | halfkp_256x2-32-32 |
学習手法 | SGD ミニバッチ法 |
USI_Hash | 1024 |
Threads | 127 |
loop | 100 |
batchsize | 1000000 |
lambda | 0.5 |
eta | eta1=1e-8 eta2=1.0 eta1_epoch=100 |
newbob_decay | 0.5 |
nn_batch_size | 1000 |
eval_save_interval | 100000000 |
loss_output_interval | 1000000 |
mirror_percentage | 50 |
eval_limit | 32000 |
weight_by_progress | 無効 |
次元下げ | K・P・相対KP |
教師局面内で重複した局面の除外 | しない |
初期ネットワークパラメーター | tanuki-wcsc29 |
勝敗項の教師信号 | 1.0 |
やねうら王バージョン | V5.33 相当 |
レーティング測定
対局相手 | https://docs.google.com/document/d/1Lup-hHFH2_QWqEfe56obJ6OEwj15P-C0VO6pWV9-vgo/edit?usp=sharing やねうら王 V5.33 で作成した評価関数 |
思考時間 | 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算 |
対局数 | 5000 |
同時対局数 | 64 |
ハッシュサイズ | 768 |
開始局面 | たややん互換局面集 |
実験結果
機械学習
v5.33 … https://docs.google.com/document/d/1Lup-hHFH2_QWqEfe56obJ6OEwj15P-C0VO6pWV9-vgo/edit?usp=sharing
suisho.s-book_black.mix … 今回作成した教師局面で学習した場合
レーティング測定
対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=768 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=2 表示更新間隔(ms)=3600000
思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5.s-book_black.mix\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale1=16
思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\regression.v5.33\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale2=20
対局数5000 先手勝ち2320(53.8%) 後手勝ち1994(46.2%) 引き分け686
engine1
勝ち2180(50.5% R3.2 +-9.6) 先手勝ち1169(27.1%) 後手勝ち1011(23.4%)
宣言勝ち164 先手宣言勝ち82 後手宣言勝ち82 先手引き分け347 後手引き分け339
engine2
勝ち2134(49.5%) 先手勝ち1151(26.7%) 後手勝ち983(22.8%)
宣言勝ち123 先手宣言勝ち59 後手宣言勝ち64 先手引き分け339 後手引き分け347
2180,686,2134
以下、 1. を floodgate の棋譜の局面を開始局面として教師局面を生成し、学習させた場合とする。また、 2. を s-book_black の各局面を開始局面として教師局面を生成し、学習させた場合とする。
学習ロスと検証ロスは、 1. より低く、 2. より高かった。
平手局面の評価値は、 1. より高く、 2. より低かった。
評価値の絶対値は、 1. より高く、 2. より低かった。
レーティングは、ベースラインとした評価関数と比べて、 R3.2 程度高かった。
考察
学習ロスと検証ロス
1. と 2. の教師局面を混ぜて学習させているためだと思われる。教師局面を混ぜて学習させることにより、混ぜた教師局面の性質の中間の性質を持つ評価関数が学習できる、ということなのだろう。
平手局面の評価値
学習ロスと検証ロスと同様に、 1. と 2. の教師局面を混ぜて学習させているためだと思われる。
評価値の絶対値
他の項目と同様に、 1. と 2. の教師局面を混ぜて学習させているためだと思われる。
レーティング
1. と 2. を混ぜて学習させて学習させたにもかかわらず、レーティングは 1. と 2. の中間とはならなかった。これは、教師局面を混ぜた場合、それらの教師局面の良い性質が、強く表れている可能性がある。ただし、この方法でこれ以上レーティングをのばせるかどうかは、微妙な数字だと思われる。
まとめ
教師局面の生成時、開始局面として floodgate の棋譜の局面と、 s-book_black に収録されている局面を使用し、学習した評価関数のレーティングを計測する。結果、ベースラインとした評価関数と比べて、 R3.1 程度高かった。この方針でレーティングを高めるのは、難しいと思われる。
次回は、水匠 5 が採用している、高ノード数探索による教師局面による、 fine-tuning を試してみたい。