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コンピューター将棋ソフト「tanuki-」シリーズの実験結果を掲載しています。

tanuki- 2022-12-22 Fine Tuning halfkp_1024x2-8-32 Suishopsv-150m

tanuki- 2022-12-22 Fine Tuning halfkp_1024x2-8-32 Suishopsv-150m

実験内容

  • 高ノード数の探索を用いて教師データを生成し、 halfkp_1024x2-8-32 評価関数を、水匠開発者杉村氏が公開している学習データ Suishopsv-150m で Fine Tuning し、レーティングを測定する。

棋譜生成

生成ルーチン 不明
評価関数 水匠 4
1手あたりの思考 1 手 200 万ノード
開始局面 不明
開始局面後のランダムムーブ 不明
生成局面数 約 1 億 5 千万局面
生成条件 不明

棋譜シャッフル

シャッフルルーチン tanuki-棋譜シャッフルルーチン
qsearch あり
最小手数 0
最大手数 10000

機械学習

機械学習ルーチン やねうら王機械学習ルーチン
学習モデル halfkp_1024x2-8-32
学習手法 SGD ミニバッチ法
USI_Hash 1024
Threads 127
loop 100
batchsize 1000000
lambda 0.0
eta eta1=1e-8 eta2=0.001 eta1_epoch=100
newbob_decay 0.5
nn_batch_size 1000
eval_save_interval 100000000
loss_output_interval 1000000
mirror_percentage 50
eval_limit 32000
weight_by_progress 無効
次元下げ K・P・相対KP
教師局面内で重複した局面の除外 しない
初期ネットワークパラメーター tanuki-wcsc32 https://docs.google.com/document/d/1IjK1PpT_-lGZen28ACWNrKsjk-BVnS4riDAR2oPZHDk/edit
勝敗項の教師信号 0.99
やねうら王バージョン V5.33 相当

レーティング測定

対局相手 tanuki-wcsc32 https://docs.google.com/document/d/1IjK1PpT_-lGZen28ACWNrKsjk-BVnS4riDAR2oPZHDk/edit
思考時間 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算
対局数 2000
同時対局数 64
ハッシュサイズ 512
開始局面 たややん互換局面集

実験結果

機械学習

レーティング測定

対局数=2000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=512 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=1 表示更新間隔(ms)=3600000

思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\halfkp_1024x2-8-32.add.Suishopsv-150m.eta2=0.001\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale1=16

思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\halfkp_1024x2-8-32\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale2=16

対局数2000 先手勝ち979(51.9%) 後手勝ち908(48.1%) 引き分け113

engine1

勝ち726(38.5% R-76.8 +-15.6) 先手勝ち383(20.3%) 後手勝ち343(18.2%)

宣言勝ち23 先手宣言勝ち8 後手宣言勝ち15 先手引き分け54 後手引き分け59

engine2

勝ち1161(61.5%) 先手勝ち596(31.6%) 後手勝ち565(29.9%)

宣言勝ち20 先手宣言勝ち11 後手宣言勝ち9 先手引き分け59 後手引き分け54

726,113,1161

学習ロスと検証ロスが下がっている途中で学習が打ち切られてしまった。

学習率は下がらなかった。

平手局面の評価値は、元の値から急激に上がったあと、 40~140 程度の間で上下した。

評価値のスケールは、 1.0*1e9 付近まで早く上昇したあと、少しずつ上昇した。

レーティングは、 Fine Tuning 前に比べて、有意に下がってしまった。

考察

学習ロスと検証ロス

学習率が 0.001 と低かったため、過去の実験と比較してゆっくりロスが下がったのだと思われる。また、学習データが 1 億 5 千万局面程度かつ loop=100 だったため、比較的早い段階で学習が打ち切られ、ロスが下がりきらなかったのだと思われる。

学習率

学習が進んでいる途中だったため、 newbob 風の学習率スケジューラーによる学習率の元帥が起こらなかったのだと思われる。

平手局面の評価値

平手局面の評価値が、元の値より急激に上がったのは、学習データにおける先手勝率が高かったためだと思われる。ただし、その後上下した理由は分からなかった。

評価値のスケール

評価値のスケールについては、勝敗項の教師信号を 0.99 に設定したため、 1.0*1e9 付近で上げどまったのだと思われる。

レーティング

水匠開発者杉村氏が公開してくださっている学習データを用いても、レーティングが上がらなかった点を考えると、学習条件が異なっている可能性が考えられる。あるいは、教師局面数が少ないため、過学習している可能性がある。

まとめ

高ノード数の探索を用いて教師データを生成し、 halfkp_1024x2-8-32 評価関数を、水匠開発者杉村氏が公開している学習データ Suishopsv-150m で Fine Tuning し、レーティングを測定した。結果、レーティングは有意に下がった。

過学習による影響を確かめるため、学習途中の評価関数のレーティング測定も行いたい。