nodchipのコンピューター将棋ブログ

コンピューター将棋ソフト「tanuki-」シリーズの実験結果を掲載しています。

tanuki- 2022-06-07 nnue-pytorch 再実験

 

tanuki- 2022-06-07 nnue-pytorch 再実験

実験内容

  • nnue-pytorch にやねうら王をマージし、コンピューター将棋ソフト用の NNUE 評価関数を学習させ、レーティングを測定する。

棋譜生成

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠5 FV_SCALE=16
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし
生成局面数 10 億局面 × 8 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

シャッフル条件

生成ルーチン tanuki-シャッフルルーチン
qsearch() あり

機械学習

機械学習ルーチン nnue-pytorch + やねうら王 nodchip/nnue-pytorch at shogi.2022-05-23
学習モデル halfkp_256x2-32-32
学習手法 SGD ミニバッチ法 Ranger
batch-size 16384
threads 2
num-workers 2
gpus 1
features HalfKP
勝敗項の教師信号 1.0

レーティング測定

対局相手  
思考時間 持ち時間 300 秒 + 1 手 2 秒加算
対局数 5000
同時対局数 64
ハッシュサイズ 768
開始局面 たややん互換局面集

実験結果

機械学習

レーティング測定

対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=768 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=2 表示更新間隔(ms)=3600000

思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\tanuki-.nnue-pytorch-2022-05-30 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale1=16

思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.10 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2022-05-02\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5.halfkp_256x2-32-32.80G\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=300000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=2000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140 FVScale2=16

対局数5000 先手勝ち2366(53.3%) 後手勝ち2069(46.7%) 引き分け565

engine1

勝ち1817(41.0% R-56.1 +-9.8) 先手勝ち986(22.2%) 後手勝ち831(18.7%)

宣言勝ち34 先手宣言勝ち19 後手宣言勝ち15 先手引き分け275 後手引き分け290

engine2

勝ち2618(59.0%) 先手勝ち1380(31.1%) 後手勝ち1238(27.9%)

宣言勝ち65 先手宣言勝ち23 後手宣言勝ち42 先手引き分け290 後手引き分け275

1817,565,2618

まとめ

nnue-pytorch にやねうら王をマージし、コンピューター将棋ソフト用の NNUE 評価関数を学習させ、レーティングを測定した。

 

学習ロスと検証ロスは、問題なく下がっている。

レーティングは、比較対象と比べて R-56 ほど低かった。

 

学習ロスと検証ロスについては、大きな問題なく学習できていることを表していると考えられる。

レーティングについても、大きな問題なく学習できている事を表していると考えられる。比較対象より低い点については、学習条件の違いが大きいと思われる。

 

ひとまず、 nnue-pytorch を用いて、やねうら王 NNUE 評価関数の学習が成功した。今後、レーティングを上げるために、一つ一つのパラメーターについて、比較実験を行っていきたいと思う。