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コンピューター将棋ソフト「tanuki-」シリーズの実験結果を掲載しています。

tanuki- 2022-03-03 棋譜生成時の開始手数 2

tanuki- 2022-03-03 棋譜生成時の開始手数 2

実験内容

  • 棋譜生成時の開始手数の最大値を 70 に設定した場合、レーティングに変化があるか調べる。

棋譜生成

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠5 FV_SCALE=24
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 70 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし
生成局面数 5 億局面 × 4 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

機械学習

機械学習ルーチン やねうら王機械学習ルーチン
学習モデル halfkp_vm_256x2-32-32
学習手法 SGD ミニバッチ法
USI_Hash 1024
Threads 16
loop 100
batchsize 1000000
lambda 0.5
eta 1.0
newbob_decay 0.5
nn_batch_size 1000
eval_save_interval 100000000
loss_output_interval 1000000
mirror_percentage 50
eval_limit 32000
weight_by_progress 無効
次元下げ なし
学習データ内で重複した局面の除外 しない
初期ネットワークパラメーター tanuki-wcsc29
勝敗項の教師信号 0.80

レーティング測定

対局相手 tanuki-wcsc29.halfkp_vm_256x2-32-32 に水匠 5 で生成した学習データを学習させたもの
思考時間 持ち時間 900 秒 + 1 手 5 秒加算
対局数 5000
同時対局数 64
ハッシュサイズ 768
開始局面 たややん互換局面集

実験結果

機械学習

レーティング測定

対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=768 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=2 表示更新間隔(ms)=3600000

思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.00 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5.generator_start_position_max_play=70\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=900000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=5000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140

思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.00 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\suisho5\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=900000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=5000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140

対局数5000 先手勝ち2166(54.4%) 後手勝ち1812(45.6%) 引き分け1022

engine1

勝ち1915(48.1% R-10.3 +-9.6) 先手勝ち1053(26.5%) 後手勝ち862(21.7%)

宣言勝ち67 先手宣言勝ち29 後手宣言勝ち38 先手引き分け521 後手引き分け501

engine2

勝ち2063(51.9%) 先手勝ち1113(28.0%) 後手勝ち950(23.9%)

宣言勝ち113 先手宣言勝ち52 後手宣言勝ち61 先手引き分け501 後手引き分け521

1915,1022,2063

まとめ

棋譜生成時の開始手数の最大値を 70 に設定した場合、レーティングに変化があるか調べた。

学習ロスと検証ロスは、最大値を 70 に設定したほうが低かった。

平手局面の評価値は、ほとんど変化がなかった。

評価値の絶対値は、最大値を 70 に設定したほうが高かった。

レーティングは、最大値 70 のほうが有意に低かった。

学習ロスと検証ロスについては、開始手数の最大値が大きくなるほど、教師データに含まれる評価値が大きくなるためだと思われる。

平手局面の評価値については、機械学習に大きな問題が生じていないことを表している。

評価値の絶対値については、学習ロスと検証ロスと同様、教師データに含まれる評価値が大きくなるためだと思われる。

レーティングについては、どこかにピークがあるのだろうと思われるが、最大値 0 ~ 70 のどのあたりにあるかは、この結果だけからでは分からなかった。

次にレーティングの高かった、最大値 40 についても試したいと思う。