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コンピューター将棋ソフト「tanuki-」シリーズの実験結果を掲載しています。

tanuki- 2022-01-21 進行度と局面の割合

tanuki- 2022-01-21 進行度と局面の割合

実験内容

  • 進行度と、その進行度に属する局面の割合を調べる。

棋譜生成

A

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠2
1手あたりの思考 深さ最大 24 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgateの2019年~2020年前半の棋譜の32手目までから1局面ランダムに選択し、ランダムに 1 手指し、その局面を開始局面とした
生成局面数 10 億局面× 2 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

B

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠2
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgateの2019年~2020年前半の棋譜の32手目までから1局面ランダムに選択し、ランダムに 1 手指し、その局面を開始局面とした
生成局面数 20 億局面 × 1 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

C

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠2
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgateの2019年~2020年前半の棋譜の32手目までから1局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし
生成局面数 20 億局面 × 1 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

D

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠2
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし
生成局面数 10 億局面 × 2 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

E

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠5
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし
生成局面数 10 億局面 × 2 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

F

生成ルーチン tanuki-棋譜生成ルーチン
評価関数 水匠5
1手あたりの思考 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード
開始局面 foodgate の 2020 年~ 2021 年の棋譜のうち、レーティング 3900 以上同士の対局の 32 手目までから 1 局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし FV_SCALE=24
生成局面数 10 億局面 × 2 セット
生成条件 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した

実験結果

A vs B

B vs C

C vs D

D vs E

E vs F

まとめ

進行度と、その進行度に属する局面の割合を調べた。

A と B を比較した結果、 B のほうが中盤の局面が少なく、終盤の局面が多かった。

B と C を比較した結果、 C のほうが序盤の局面が多く、中盤の局面が少なく、終盤の局面が多かった。

C と D を比較した結果、 D のほうが序盤の局面が多く、中盤の局面が少なく、終盤の局面は多かった。

D と E を比較した結果、 E のほうが序中盤の局面が少なく、中盤の局面が多かった。

E と F を比較した結果、 F のほうが終盤の局面は少なかった。

A と B の違いは、探索の深さである。探索の深さが浅いほうが、中盤がすぐに終わり、終盤に突入しやすくなるのだと思われる。

B と C の違いは、ランダムムーブの有無である。ランダムムーブがないほうが、序盤の局面が多くなるという事だと思われる。

C と D の違いは、開始局面の選び方である。強いソフト同士の対局のほうが、棋譜に序盤の局面が多く含まれるという事なのだと思われる。

D と E の違いは、評価関数の差である。水匠 5 のほうが、序盤を早く終えやすいという事なのだと思われる。

E と F の違いは、 FV_SCALE の差である。 FV_SCALE を 24 に設定したほうが、序盤が長く続くのだと思われる。

棋譜の生成条件により、進行度とそれに属する局面の割合が異なることが確かめられた。