tanuki- 2021-12-25 棋譜生成時のランダムムーブ
実験内容
- 棋譜生成時のランダムムーブの有無で、レーティングに変化があるか測定する。
棋譜生成
生成ルーチン | tanuki-棋譜生成ルーチン |
評価関数 | 水匠2 |
1手あたりの思考 | 深さ最大 9 思考ノード数最大 50,000 ノード |
開始局面 | foodgateの2019年~2020年前半の棋譜の32手目までから1局面ランダムに選択し、その局面を開始局面とした ランダムムーブなし |
生成局面数 | 20 億局面 × 1 セット |
生成条件 | 対局は打ち切らず詰みの局面まで学習データに出力した |
機械学習
機械学習ルーチン | やねうら王機械学習ルーチン |
学習モデル | halfkp_vm_256x2-32-32 |
学習手法 | SGD ミニバッチ法 |
USI_Hash | 1024 |
Threads | 16 |
loop | 100 |
batchsize | 1000000 |
lambda | 0.5 |
eta | 1.0 |
newbob_decay | 0.5 |
nn_batch_size | 1000 |
eval_save_interval | 100000000 |
loss_output_interval | 1000000 |
mirror_percentage | 50 |
eval_limit | 32000 |
weight_by_progress | 無効 |
次元下げ | なし |
学習データ内で重複した局面の除外 | しない |
初期ネットワークパラメーター | tanuki-wcsc29 |
勝敗項の教師信号 | 0.80 |
レーティング測定
対局相手 | tanuki-denryu2 |
思考時間 | 持ち時間 900 秒 + 1 手 5 秒加算 |
対局数 | 2000 |
同時対局数 | 64 |
ハッシュサイズ | 768 |
開始局面 | たややん互換局面集 |
実験結果
機械学習
レーティング測定
対局数=5000 同時対局数=64 ハッシュサイズ=768 開始手数=24 最大手数=320 開始局面ファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\TanukiColiseum\taya36_2020-11-06.sfen NUMAノード数=2 表示更新間隔(ms)=3600000
思考エンジン1 name=YaneuraOu NNUE 7.00beta4 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine1\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\tanuki-wcsc29.halfkp_vm_256x2-32-32.suisho-wcsoc2020.depth=9.GeneratorRandomMove=false\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=900000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=5000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140
思考エンジン2 name=YaneuraOu NNUE 7.00beta4 64ZEN2 TOURNAMENT author=by yaneurao exeファイル=C:\Jenkins\workspace\TanukiColiseum.2021-09-05\engine2\source\YaneuraOu-by-gcc.exe 評価関数フォルダパス=D:\hnoda\shogi\eval\tanuki-wcsc29.halfkp_vm_256x2-32-32.suisho-wcsoc2020.depth=9\final 定跡手数=256 定跡ファイル名=no_book 思考ノード数=0 思考ノード数に加える乱数(%)=0 思考ノード数の乱数を1手毎に変化させる=False 持ち時間(ms)=900000 秒読み時間(ms)=0 加算時間(ms)=5000 乱数付き思考時間(ms)=0 スレッド数=1 BookEvalDiff=30 定跡の採択率を考慮する=false 定跡の手数を無視する=false SlowMover=100 DrawValue=-2 BookEvalBlackLimit=0 BookEvalWhiteLimit=-140
対局数5000 先手勝ち2144(54.1%) 後手勝ち1818(45.9%) 引き分け1038
engine1
勝ち2117(53.4% R18.9 +-9.6) 先手勝ち1152(29.1%) 後手勝ち965(24.4%)
宣言勝ち63 先手宣言勝ち35 後手宣言勝ち28 先手引き分け542 後手引き分け496
engine2
勝ち1845(46.6%) 先手勝ち992(25.0%) 後手勝ち853(21.5%)
宣言勝ち115 先手宣言勝ち54 後手宣言勝ち61 先手引き分け496 後手引き分け542
2117,1038,1845
まとめ
棋譜生成時のランダムムーブの有無で、レーティングに変化があるか測定した。
学習ロスと検証ロスは、ランダムムーブを行った場合に対して高くなった。
指し手一致率は、ランダムムーブを行った場合に対して高くなった。
平手局面の評価値は、ランダムムーブを行った場合とほぼ等しくなった。
評価値の絶対値は、ランダムムーブを行った場合に対して低くなった。
棋力は tanuki-denryu2 に対して、 R18.9 高くなった。
学習ロスト検証ロスが高くなったのは、学習データに評価値が 0 に近い局面が増えたためだと思われる。ランダムムーブを行った場合、ランダムムーブが悪手だった場合に、一気に形勢が傾き、評価値の絶対値が高くなる可能性がある。今回はランダムムーブを行わなかったため、一気に形勢が傾くことが少なくなり、評価値が 0 に近い局面が増えたのだと考えられる。
指し手一致率が高くなったのは、学習データに評価値が 0 に近い局面が増えたのが原因の可能性がある。序中盤と終盤で、序中盤のほうが指し手一致率が高い傾向があるのだとすれば、序中盤の局面が増えたことにより、指し手一致率が高くなったのだと推測できる。一方、教師データの質が高くなり、評価関数の精度が高まったための可能性も捨てきれない。
平手局面の評価値については、学習で大きな問題が起こっていないことを表しているものと思われる。
評価値の絶対値が低くなったのは、学習データに評価値が 0 に近い局面が増えたためだと思われる。また、検証データにも評価値が 0 に近い局面が増えたため、トータルで低くなっているのだと考えられる。
棋力が高くなったのは、学習データに序中盤の局面が増えたためだと考えられる。教師局面の質が高くなったためと言い換えても良いかもしれない。
今後はランダムムーブは行わずに棋譜生成を行っていきたい。